丸根城なわばりず

2021.4.28 (31) 丸根城なわばりず 2500-1900

丸根城(まるねじょう)なわばりず(縄張図)

丸根城は、矢作川が豊田の市街地をぬけてもっともかわはばがせばくなる通称「うのくび(鵜の首)」の東岸にあり、台地の先端に位置しとる。しろのきたがわは台地につづく地形であるため、おおきくからぼりがめぐらされとる。みなみがわはちいさなたに地形をほのまま利用した自然のほりとなっとる。しろのおおきさは18,000平方メートル、ひがし、にし、きたの三方にからぼりをめぐらしとる。主郭は、おおきさ4,950平方メートルのほぼ長方形でかつてはやかたあとをおもわせるコの字がたの土塁の痕跡があった。現在、ほのかたちに植栽をほどこし、かたちだけ復元しとる。西北すみにはいどあとをふさいでやまのかみをまつったほこらがある。主郭のひがしがわには半円形の北曲輪がある。北曲輪ははば10メートル、ふかさ6メートルのふかいほりにとりかこまれており、台地としろを分断しとる。主郭と北曲輪のあいだははば5メートル、ふかさ4メートルにほりわられ、このなかは通路になっとる。また、しろの東南、西南がわの左図で着色されとらん部分は后世の削平である可能性もあり、現状ではしろの遺構かいなか判断がむづかしい。

ほりとたにをたくみにつかった堅固なかまえのしろは、矢作川の要地ににらみをきかせとった。

1994年3月
豊田市教育委員会

〔2021年4月28日訪問〕