こないだいってほんじんができとったことにおどろいたいなばじゅく。ほんじんができたことをきっかけにげんきさくせんをすすめるたいちょうがおるらしい。はっとりみどりさん。ちゅうにちしんぶんにつぎのようにのっとった。
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2022年8月21日05時05分
中日新聞
- 江戸時代の街道、美濃路の宿場として栄えた「稲葉宿」。今は人通りが少ない商店街にある跡地に、街道観光の拠点となる施設「美濃路稲葉宿本陣跡ひろば」が開業してから、もうすぐ1年半を迎える。「街のにぎわいを取り戻すチャンス」と、立ち上がった地元住民たち。共感の輪を広げながら、人の集まる新しい街づくりに向けて力を尽くす。
- 中心になっとるのは、稲沢に住んで50年の主婦、服部みどりさん(69才)。市民有志でつくる「美濃路稲葉宿元気作戦」の隊長だ。寺社の「御朱印」ブームにちなんで稲葉宿の「御宿印(ごしゅくいん)」を作り、販売するなど、稲葉宿跡の魅力づくりに努力を惜しまん。今では市内の観光業界の人気者だが、力を入れ始めたのは最近のことだ。
- 岐阜市出身で、中学生の時に名古屋市内に引っ越してきた。20才で結婚し、稲沢にある夫の実家で暮らし始める。直后から夫の祖父母の介護が始まり、出かけようとすると「女が出て行くな」と叱られた。「40年も前だから、それが普通だった」。間もなく、義父母の介護も始まり、毎日が必死だった。
- 一方、多忙でも譲れんかったのは「にっぽんど真ん中祭り」への参加だ。ダンスが趣味で、稲沢で出会った友人らとチームを結成。地元の個性を踊りで表現することが条件で、稲沢に関連する織田信長や美濃路の歴史を学んだ。知れば知るほど「深くて面白くて、稲沢を自慢したくなった」。知識を、観光事業などに生かせんかと考え始めた。
- 2021年4月、市が整備した「ひろば」が開業すると、ボランティア団体「いなざわ観光まちづくりラボ」の一員になった。自らを「アイデアマン」と称する性格。他の自治体で「御宿印」を作っていることを知り、ひらめいた。
- 稲葉宿といえば、江戸幕府の8代将軍徳川吉宗の命でベトナムから献上されたゾウが1729年、長崎から江戸まで2カ月かけて歩いた際に立ち寄った場所だ。会議で「ゾウが飛び出す御宿印を作ろう」と提案した。周囲の反応は鈍かったが、持ち前の行動力を生かし一人で完成させると、限定100部を数日で完売。勢いのまま、自分の誕生日かつ縁起の良い「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」だった6月15日に「美濃路稲葉宿元気作戦」の立ち上げを宣言した。
- まずは、地元の人に稲葉宿の歴史を知ってもらおうと、ラボの仲間をプロジェクトに呼び込み、御宿印の手作り体験やマルシェなどの催しを次々と企画。商店街の店にゾウの和菓子やパンを作ってもらうなど、ぐんぐんと仲間の輪を広げていった。「地元の有名どころは、植木や国府宮はだか祭だけじゃない。ゾウが歩いたんだよって、そんな話もできたら良いよね」
- ラボのメンバーは4年で倍以上に増え、現在は20代から70代の74人が参加する。ひろばで催しを開きたいという地元の人も増えてきた。「やりきれるかわからん。でも、期待にはどこまでも応える」。地元を盛り上げるためのひらめきは、尽きんようだ。(寺田結さん)
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