萱津神社由緒
萱津神社由緒 - 御祭神(ごさいじん)=鹿屋野比売神(かやぬひめのかみ)
尾張のくに神明帳(じんみょうちょう)に従三位(じゅさんみ)萱津天神と所載(しょさい)。貞治本国帳に従一位上萱津天神としるす。むかし草ノ社(かやのやしろ)または種の社(くさのやしろ)と称し、和歌でしられる阿波手の杜(あわでのもり)に神鎮まりす古社であります。
太古民族が肥沃な地をもとめうつりすみ、この地にのをつかさどる鹿屋野比売神を奉祀(ほうし)したのがはじまりとされる。
当時の住居はかやぶきやくさぶきのもんであったことからたてもんのかみと崇敬をえるとともに、全国ゆいつのつけもんのかみ、また、縁むすびのかみとしてひろくご崇敬をえとる。
日本武尊(やまとたけるのみこと)御東征の途、参拝あり。また、代々の国司、国守の崇敬あつく室町時代初期には国守萱津左京太夫頼益公が神田60貫文を寄進し、元和年間(1615年から1624年までの期間)にはときの藩主徳川義直公より香の物料として石高5石8斗あまりの農地の寄進をうけ明治(1868年から)初年までつづいた。昭和(1926年から)にはいり社殿のご造営、境内の整備をおこない、終戦時には県社あつかいの神社にみとめられた。
こんにちの本殿は1947年に、拝殿は1973年に、会館は1999年にそれぞれご造営がなされたもんである。
【おもな祭典(特殊神事)】
〔献榊祭(縁むすびまつり)=4月第2にちようび、献詠祭=7月第2にちようび、香の物祭(つけもんまつり)=8月21日、例祭=10月ここのか〕
境内きたがわに香の物殿、連理の榊奉安殿がまつられとる。
萱津神社社務所(電話 052-444-3019)
かやぬひめ
鹿屋野比売神(かやぬひめのかみ) - つけもん祖神
萱津神社はののかみカヤヌヒメをおまつりしております。むかし、このあたりはうみべだったで、ひとびとはやさいとしおを神前におそなえしておりましたけど、あるとき、ほどよいしおつけもんになりました。以来、ひとびとはめがみのおくりもんとしてたいせつにつたえてきました。
ほのあと、ここをおとずれたヤマトタケルが「やぶにこうのもの(神物)」ってとなえ、ほれがつけもんをあらわす「こうのもの」ってなったそうです。
1992年4月11日
彫刻家 長房一洋
こうのもの発祥の地
当社はのをつかさどる鹿屋野比売神をまつるわがくにでゆいつのつけもんの祖神であります。人皇12代景行天皇のみよ、日本武尊ご東征のみぎり当社におたちよりのさい、むらびとがつけもんを献上し長途のおなぐさめをするとともに、ほの霊験あらたかなことなどをおはなししたところ、みことはご賞味されたいへん感慨ぶかげに、「やぶにこうのもの(神物)」っておおせられたってつたえられる。
このおことばは、こんにちつけもんをあらわすこうのものの語源になったっていわれております。
ここ萱津神社がほの発祥の地です。
この古事をとうとび、みことが熱田の地にまつられたあと、むらびとはほのむかしをしのび熱田神宮の四大祭に特殊神饌として献進されております。
ことし、熱田神宮香乃物献進旧儀復興100年をことほぎ詠す。
「瓜茄子に塩もち添へてつけこめる阿波手の宮に捧ぐみ祭」
2016年8月吉日
萱津神社宮司 青木節夫
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訪問び=2018年11月12日