真如寺木造薬師如来座像の説明がき

2023.2.28 (63) 真如寺 - 木造薬師如来座像説明がき 2000-1500

岡崎は鴨田(かもだ)の真如寺(しんにょじ)に木造薬師如来座像があって、ほの説明がきにつぎのようにかいてある。

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岡崎市指定文化財

真如寺

彫刻|木造薬師如来座像|一躯

桧材一木造の薬師如来の座像である。寺伝によれば、安城(あんじょう)の薬師堂から移座した客仏であるという。現在は表面がほとんど剥れとるが、かつては彩色像であったと思われる。

この像は、一木造という構造、切付けのこまかい螺髪(らはつ)、大きな肉髻(にくけい)、やや面長な顔、かなり深く刳った(くった)流暢な衣文線などからみて、12世紀初頭の制作であろうと考えられる。像高50.1cm。

この像の内部には、6行にわたって梵字(ぼんじ)が書き連ねてあるが、梵字の音のみを借りて日本文を書いたもので、

ダイジユ da yi jhi yu 大樹
ジマツジ jhi ma tu jhi 寺末寺
サンシウクワ cam ci u ku ba(va) 三州桑
ゴムラシン go mu ta cin 子村真
ニヨジ ni yo jhi 如寺
ポンジョ pon jhom 本尊

と読める。

この像は、真如寺が桑子村(くわこむら/現在の大和町)にあったときの本尊であり、大樹寺に真如寺が吸収された后は、客仏となったのであろう。

1987年7月15日指定

岡崎市教育委員会

〔2023年2月28日訪問〕


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