中山道は近江のくにと美濃のくにのさかいにねものがたりのさとってとこがあって、いしぶみにつぎのとおり由来がかいてある。
ねものがたりの由来
近江と美濃のくにざかいは、このいしぶみのひがし10メートルあまりにあるほっそいみぞでした。このみぞをはさんで両国の番所(ばんしょ)やはたごがあり、かべごしに「ねながら他国のひととはなしあえた」のでねものがたりのながうまれたといわれております。また、1159年平治の乱后、源義朝(みなもとのよしとも)をおってきた常盤御前(ときわごぜん)が「よふけにとなりやどのはなしごえから家来の江田行義(えだゆきよし)ときづき奇遇をよろこんだ」ところとも「源義経(みなもとのよしつね)をおってきた静御前(しずかごぜん)が江田源蔵とめぐりあった」ところともつたえられております。
ねものがたりは中山道の古跡としてなだかく、古歌などにもこのながでておりますし、広重のうきよえにもここがえがかれております。
ひとりいく たびならなくに あきのよの
ねものがたりも しのぶばかりに
太田道潅1992年1月
〔2021年6月にじゅうよっか訪問〕